お子様ランチ――不況時に誕生した夢のメニュー

ハンバーグやチキンライスに、ちょこんと立てられたかわいらしい小さな旗――子どもたちの胸をときめかせたお子様ランチの誕生とその歴史を振り返る。
あのワクワク感をもう一度
「お子様ランチ」と聞くだけで、子どもの頃の思い出がよみがえり、その懐かしさに思わず胸が熱くなる人も多いのではないでしょうか。
その誕生は1930年(昭和5年)。「世界恐慌で暗い世の中でも、せめて子どもには明るい夢を」という思いから、三越日本橋本店で始まりました。子ども用の絵皿に映える料理を作ろうと、富士山にみたてたご飯やスパゲティ、コロッケ、サンドイッチなど、子どもが好む人気メニューをワンプレートに盛り付けたといいます。
以後、さまざまなデパートで提供されるようになり、おまけ付きのお子様ランチも登場します。1960年代には、テレビで人気のウルトラマンや怪獣がおまけとして採用され、大人気となったのだとか。
今では多くの飲食店で見かけるようになりましたが、最近では大人も注文できるお子様ランチがラインアップされている店も増えています。お出かけのついでに、久々に子どもの頃のワクワク感を味わってみてはいかがでしょうか。