世界初の有人宇宙飛行――「地球は青かった」

人類史上初の宇宙飛行を成し遂げたのは27歳の若者だった! 彼の偉業を紹介するとともに、激しい宇宙開発競争が繰り広げられていた歴史を振り返る。
高度300kmから見た地球
1961年4月12日は、人類にとって記念すべき一日であることをご存知でしょうか。そう、旧ソ連の宇宙飛行士ユーリ・ガガーリンが、人類で初めて有人宇宙飛行を成功させた日なのです。
空軍のパイロットだったガガーリンは当時27歳。1人乗りの宇宙船ポストーク1号で地球を周回する偉業を成し遂げ、打ち上げから1時間48分後、ソ連の大地に帰還しました。小さな窓から見た高度300kmの世界を、彼はこう表現しています。
「上空はとても暗く、地球は青みがかっている。すべては非常にはっきりと見えた」
「あれ? ガガーリンといえば『地球は青かった』だよね?」と思った人もいるかもしれません。実はこの名言が有名なのは日本だけ。世界では上記の言葉が一般的に知られています。
この成功を機に、米ソ冷戦を背景にした宇宙開発競争の火ぶたが切って落とされました。やがて、宇宙開発は国際協調へとシフト。冷戦終結とともに、国際協調の象徴である国際宇宙ステーション(ISS)が完成し、一つの到達点を迎えます。
そして、21世紀。宇宙開発は国ではなく、民間が主導する形へと変わりつつあります。誰もが気軽に宇宙旅行に出かけられる日が、もうすぐそこまでやって来ているのかもしれません。