Bunkamura History 1990年 Bunkamuraドゥマゴ文学賞創設
1990年 Bunkamuraドゥマゴ文学賞創設
先進性と独創性のある新しい文学の可能性を探る
© Sébastien Dubois-Didcock
1884年にパリ、サン=ジェルマン=デ=プレ広場に誕生したカフェ「ドゥマゴ」はピカソやヘミングウェイなど多くのアーティストが集い、幾多の文学や芸術が育まれた老舗カフェ。
19世紀の佇まいそのままに、今も多くの人々に愛され続けています。
「ドゥマゴ」初の海外業務提携店としてBunkamura内にオープンした「ドゥ マゴ パリ」もまた、人と文化が交流する交差点、パリの文化を伝える存在として誕生しました。
1933年、パリの「ドゥマゴ」に集った常連客が、将来を担う若い作家に自分たちの手で賞をあげようと始まった「ドゥマゴ賞」。
Bunkamuraでは、そのユニークな精神を受け継ぎ、先進性と独創性に満ちた新しい文学を選び出す「Bunkamuraドゥマゴ文学賞」をBunkamura開業1周年の1990年9月3日に創設しました。
毎年変わる””ひとりの選考委員””が選ぶ受賞作は、その組み合わせも含めて毎年話題を集めています。
ドゥマゴ賞の歴史
1933年 第1回選考委員会の面々。 左から、フランク・ドボ、ロジェ・ヴィトラック、カリタ、ジョルジュ・バタイユ。
右から、アンリ・フィリポン、(ひとり女性をおいて)受賞者のレーモン・クノー、ジョルジュ・リブモン=デセーニュ。
「ドゥマゴ賞」は、1933年、アンドレ・マルローの『人間の条件』にゴンクール賞が授与された日に、「ドゥマゴ」の常連客だった作家、画家、ジャーナリスト13人によって、自分たちの手で独創的な若い作家に文学賞を贈ろうと創設されました。
いかなる派閥からも独立していた彼らは、各々100フランずつを出しあって賞金を1300フランとし、アヴァンギャルドな精神にみちた将来性豊かな受賞者を選びました。
第1回の受賞者は、処女作『はまむぎ』を出版したばかりの当時30歳の新進作家レーモン・クノー。
彼はのちにフランス文壇の最も先鋭的な作家のひとりとして活躍しています。
第2回以降の賞金はその精神に共鳴したカフェ「ドゥマゴ」の店主が引き受け(現在の賞金は7700ユーロ)、毎年店内で最終選考及び受賞者の発表が行なわれています。
フレンチカフェの先駆け「ドゥマゴパリ」

フレンチカフェの先駆け「ドゥマゴパリ」
「ドゥマゴ」の伝統を受け継ぎ、1989年Bunkamura内にオープンした「ドゥ マゴ パリ」。
パリのカフェの伝統を踏襲した空間には文化・芸術を愛する人々が集い、1990年代前半のフレンチカフェ全盛期の先駆けとなりました。
2023年4月9日をもって、カフェレストラン「ドゥ マゴ パリ」は一旦営業を終了、同年6月より「Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下」内で小さなスタンドカフェ「ドゥ マゴ パリプチカフェ」としてお客様をお迎えしています。
プチサイズにリニューアルした「タルトタタン」、「ドゥ マゴオリジナルブレンド」のホットコーヒーをはじめとした、特別な映画体験に寄り添うメニューをお楽しみいただけます。
1990年に創設した文学賞
Bunkamuraドゥマゴ文学賞